DMZ-trainで都羅山駅に行こう2017/12/16 12:00

【旅程】ソウル駅=(DMZ-train)=臨津江(イムジンガン)駅=都羅山(トラサン)駅~(安保観光バス)~都羅山平和公園~統一村(昼食)~都羅展望台~第3トンネル~都羅山駅=ソウル駅


◆チケット◆
一回は行っておきたいなと思いつつ一時期南北の緊張が高まって何となく危ないかなぁ、と延期していたDMZ(非武装地帯)。
そのうち・・・と思っていたらいつの間にか冬になってしまった。
晴れた日はそこそこ空気も澄んでいるので行ってみることにする。

ソウルから出ている観光バスツアーはいくつもあり、お値段も手頃、日本語の話せるガイド付きのツアーもあるので、そちらも良さげだが、今回は列車に乗って都羅山駅まで行ってみたかった。

チケットはKORAIL(韓国鉄道公社)のホームページでも予約ができるのだが、一日一往復の都羅山駅まで行く列車(平和列車DMZトレイン)は直前に思い立った所為か満席。
行きのチケット。ネットで買って自宅で印刷。便利。

うーん、臨津江駅から先は民間人の出入りが規制されていて観光バスかこの観光列車でないと入るのが難しいようだし、別の日にするか?と、ふとKORAILの英語版のページにアクセスしたら何故か空席あり。KORAILのページは韓国語の他、日本語・英語・中国語に対応しているのだけど、予約できる列車の内容が違ったりするようで、日本語ページでは残席がない場合も英語や韓国語のページでは予約できたりする。

ソウル駅発10:15~都羅山駅着11:45 大人1人8,900ウォン(890円位)


◆ソウル駅◆
行きのチケットはなんとか予約できたのに、都羅山駅からの帰りの便は何語のページにアクセスしても満席になっていて予約できなかった。
都羅山駅は帰りのチケットを持っていないと行くことができない。「立席(自由席)」で良いので帰りのチケットをソウル駅で購入しなければ。
しかし、都羅山周辺に宿泊施設はなく基本的に日帰り観光しか出来ず、一般車両での出入りも不可で、行きが予約できて帰りが予約できないのはどういうことだろう?

DMZ列車は京義線(キョンイソン)という路線を走るのだけれど、最近ソウル駅の京義線の発着ホームはソウル駅の西側の端っこから東側の端っこに移動になった。
ソウル駅の新しい京義線乗り場。

レンガ造りの旧ソウル駅の建物がある側の新しいホームに行ってみるが、チケット売り場は無く、自動券売機があるのみ。自動券売機を操作するも途中の汶山(ムンサン)駅までしか表示されず、ここではDMZ-trainのチケットは買えない。
諦めてKTXなどが発着するソウル駅に移動。

窓口に行かないといけないかと思ったが、こちらの自動券売機では都羅山駅~ソウル駅の立席も購入可能。現金もカードも使えるし、英語表示にもできるので大丈夫でしょう。
帰りのチケット。自動券売機で購入。

無事、帰りの自由席切符を購入。8,100ウォン。


◆乗り場は14番ホーム◆
切符を買って駅の電光掲示板を見たらDMZ列車は14番ホームから発車と表示されている。
ソウル駅の列車表示板。改札がないのでそのままホームへ。

さっき行った京義線のホームからの発車ではないの!?
危ない危ない、行きも帰りもネットでチケット買えていたら全然違うホームで待ちぼうけを食らうところだったよ。。


◆平和列車DMZ-train◆
ソウル駅に入線するDMZ-train。1両目はSL風のラッピング。

寒いホームで待っていたら、ど派手なラッピングされた列車がやって来た。車内もど派手。あまりに派手すぎてちょっと狂気を感じてしまうほど・・・。
やたらど派手な車内。ちょっと狂気すら感じる。

車内には売店もあり、お手洗いもあり、歴代鉄道の写真が展示されていたり、グループ客用のテーブルもあったりで、観光列車仕様。座席指定だったもののあまり関係ないようで、皆さん思い思いの場所に座ってお弁当を食べたり、お菓子を食べたりピクニック気分。


◆都羅山駅出入申請書◆
車内を係員が巡回し申請書を配布して記入するように言われる。
入域申請書。半分回収されるのかと思いきや見せただけだった。
切符の改札だと思って印刷した行きのチケットだけをみせたら「片道だけ?」と言われた。臨津江駅でも帰りの切符を購入できるそうですが、やはりソウル駅で購入しておいて良かったです。


◆オプションツアー申し込み◆
車内の大半の客が都羅山駅発のバスツアーをセットで申し込み済みのようで、赤い入域カードを渡されていた。当初は駅だけ見れれば良いかなと思っていたが、帰りの列車が16:27発の1本しかないので5時間弱も駅周辺で待たないといけないとなると流石につらい。(都羅山駅の周辺はコンビニも食堂もなく、観光する場所もほぼない。)
ツアーのご案内。

バスツアーは車内でも申し込みできるようなので、追加申し込みすることにした。大人13,000ウォン(1,300円位)。緑の入域カードをくれました。
入域カード(DMZ都羅山駅安保観光)


◆雲泉(ウンチョン)駅◆
DMZ-trainは観光列車なので停車駅が少ない(龍山・ソウル・汶山・雲泉・臨津江・都羅山)が、その中でも駅舎が無く1面1線のホームがあるだけという異彩を放つ雲泉駅。
雲泉駅。乗降客ゼロ。不動産屋・中華の出前などが見えて普通。

一応、近くに村っぽいところがあるけれど、当然乗降客は1人も居ない。


◆臨津江(イムジンガン)駅◆
臨津江駅。憲兵の姿が。右の柵から一旦外に出て左の建物で入域審査。

都羅山駅の一駅手前。観光客はここで一旦下車し駅の外に出て駅舎の中で手荷物・身分証明書・出入申請書の審査を受けないといけない。
審査待ちの列。

手荷物検査はスルー(空港同様X線検査機があるがスーツケースとか持っていなければ使わないようです)。
ただ、身分証明書(パスポート。韓国人は住民登録証)と出入申請書はじっくりとチェックしていました。
当然、身分証明書がないと都羅山まで行けませんのでパスポートをお忘れなく。
で、ホームに出る前に再度人数をカウント(車内でもカウントしていました)。

いよいよ、この先のDMZへ。

ホームに出ると先ほど列車を降りたホームと同じ(手続きのために一旦外に出るだけで、また同じ列車に乗る)で少し拍子抜けするものの、ホームには憲兵が立っているし、韓国の北端に近いのだなという気分になってきます。


◆観光列車◆
このツアーは韓国人・子供でも参加可能なので(板門店まで行くツアーはもっと規制が厳しい)見た感じ9割が韓国人観光客で親子連れも多い。列車に戻るとお子様向けに運転席を公開していた。
運転席を公開していた。観光列車っぽい。
これからDMZに向かうにしては随分暢気です。


◆臨津江◆
憲兵が4名ほど列車に乗り込んできて、臨津江駅を出発。
ヘルメット被っているのが憲兵。

川の韓国側は観光地になっていて、古い蒸気機関車などを見物している観光客の姿を右手に見ながら臨津江に差し掛かります。
このところ寒い日が続いたため、川が一部凍っています。
川の反対側には統一村(台城洞自由の村)があり韓国人が居住してはいるが、立ち入り制限区域でありDMZへのツアー参加者と村民以外は立ち入ることができないため川を渡ると違う空気が流れている。
都羅山駅までの車窓はこちらの動画で。
https://www.youtube.com/watch?v=k1Ndy6-BmDk&t=2s


◆都羅山駅◆
わずか4~5分ほどで都羅山駅に到着。一時期はここから1駅先、北朝鮮領内の開城工業団地まで貨物列車が通っていたというが、現在はここから北への鉄道は運行されていない。
都羅山駅ホームから北朝鮮側を望む。

やはりホームには憲兵が立っており、改札を出る際も人数をカウント。
駅はとても広いが、半分以上は使われること無くガラスの向こうに見えるだけ。
駅の半分以上はガラスの向こうで使われていない。

平壌方面の表示はあるものの、使われる日は来るのだろうか。
平壌方面の表示。レールはあるが。。


◆都羅山平和公園◆
バスに乗り込み、ツアー最初の観光地都羅山平和公園へ。
都羅山平和公園。昔の写真の展示あり。

男性のバスガイドがいろいろと案内するものの、全部韓国語なのであまり分らず。
車窓から外を眺めていると、舗装された道路には人通りも無く、対向車も走っておらず、人が居なくなった村を観光バスが走る異様な光景。
塔っぽいの。開闢(かいびゃく)。新たな時代を切り開きたい?

公園に到着するものの、当然一般市民が遊んでいたり、個人の観光客が来るわけでもなく、我々ツアー客だけが居る。


◆統一村サービスエリア◆
統一村の中にあるサービスエリアへ。
統一村食堂の外側から。中は社員食堂風。

バイキング方式の昼食だが、ツアー料金には昼食代は含まれておらず、食堂の入口でお会計。一人7,000ウォン(700円くらい)。ごくごく一般的な韓国料理で給食、といった感じ。ちょっと7,000ウォンはお高いかも。
大体こんな感じの食事。お酒も売っています。

食堂の反対側にはお土産物屋があり、半分は玄米などの農産物。都羅山駅への線路脇にも畑が広がっていて「誰が農作物を作りに来るんだろう?」と思っていたが、統一村の住民は主に農業をやっているらしい。
村民は納税と兵役の義務がないが、外部から入植ができず、生活も軍に監視されており夜間は外出禁止、村の外の人と結婚すると住民権を失うそうで、税金がない分裕福な家庭も多いと聞くが、反面不自由さもあり幸せなのか。。


◆都羅展望台◆
ツアーの目玉だと思われる展望台。
都羅山展望台。正面からは建物に入れなくなっていました。

Photo Zoneと書かれた撮影許可ラインの先に双眼鏡が並んでいる。500ウォン。
晴れて天気が良かったので、開城工業団地から松岳(ソンアク)山などよく見える。
撮影可能なラインギリギリから北朝鮮側。

しかし、山の上だけあって滅茶苦茶寒い。多分体感でマイナス10度以下。
すぐに建物の中へ。映画館のように座席が並びスクリーン部分がガラス張りで北朝鮮を眺められるようになっているが、ここも撮影禁止。


◆第3トンネル◆
ツアー最後の観光地、第3トンネルへ。
入口。一応DMZの観光案内所となっている。

北朝鮮との間には4つのトンネルが掘られているらしいが、一部は観光地化されている。
トンネル入口。正面の棚のヘルメットを被っていざ坑内へ。

400m弱の長い坂道を降りていくと、約1.6キロの横穴に出る。
このうち、韓国側にある265m地点、MDL(軍事境界線)から170mの地点まで歩いていくことができる。
第3トンネル案内図。3つ目の壁の手前まで歩いていける。

トンネル内には、トンネルを掘り進めていた北朝鮮人が発見された地点が残されているが、随分韓国寄りの地点で韓国の防衛って大丈夫なの?と不安になる。
地上戦に備えて4つ以外のトンネルも掘られているとの噂が絶えないが。。


◆DMZ展示室◆
第3トンネルはトロッコ列車でも降りられるようになっており、トロッコ列車の乗り場横にDMZに関する資料を展示してある建物が建っている。
資料館の前のモニュメント。

京義線を通って南満州鉄道やシベリア鉄道を通りユーラシア大陸に繋がる鉄道網が地図で示されているが、わざわざ地図の隅に竹島を韓国呼称で表示してあったり、京義線を大陸侵略用の橋頭堡だったと説明している辺りが自分達に都合の悪い歴史を正視できない民族性を表してる気がした。
赤い点滅部分が京義線。線路は続く。

何故南北が分断され、韓国という国が地図に残ることが出来たのかという歴史を知っていると現在の中国寄りの韓国政府の政策はとても奇妙に思えるのだが、教育は大切だと心底思う。


◆都羅山駅◆
バスツアーも終わり都羅山駅に戻ってきた。
都羅山駅外観。

ロビーでアメリカのブッシュ大統領がこの駅を訪れてサインをした枕木の展示を見たり売店を見て待ち時間を過ごす。
ブッシュ米大統領がサインした枕木。

ネットで検索すると、今更帰りの指定席が復活している。
(都羅山駅はツアー客以外の一般人の利用はないので、記念入場券以外の乗車券は販売していない。)
今更、立席を買いなおす気もおきないので、16:00の改札開始まで待ってそのまま帰りの電車に乗車。


◆指定席要らなくね?◆
再び都羅山駅のホームへ。

やはりというか、行きの電車に乗ってきた客がそのまま帰りの列車に乗車するようで、来たとき同様、列車の3分の2以上の席は空いている。
どういう予約システムになっているのかイマイチよく分からないが、結果800ウォン(80円ぐらいw)安く、最初から最後まで座って帰れたので、まぁ良かった。


◆臨津江駅◆
行きは一旦下車して入出検査した臨津江駅ですが、帰りは停車こそするものの乗降客はなく、ただたっぷり5分程停車したあとそのまま発車した。
臨津江駅。帰りは下車不要なようです。

まぁ、都羅山駅の改札を通る時も入域カードを返却しながら人数をちゃんと確認していたし、DMZから出る分にはあまり厳しくないのかな。


◆ソウルへ◆
車内は暖房が効いているし、昼食を食べてトンネルに潜って適度に運動もした後なので、睡魔が襲ってくる。
臨津江。朝より大分氷が融けていた。

この列車、ソウルから都羅山まで56kmを片道1時間ちょっと掛けて走る。帰りも同じく。前述の通り停車駅が少ないので、普通の通勤電車並みの速度で走ったら半分位の時間で着きそうなのだが、何故かのんびりのんびり走る。
元々京義線はソウル駅を通る路線としては異常なほど運行本数が少ないので前後の列車が詰まっているという訳でもなさそうなのだが。まぁ、観光列車に速度を求めるのはナンセンスかも知れません。


◆ソウル駅◆
行きは14番ホームだったが、帰りは8番ホームに到着。
そういえば、ソウル駅の8番ホームからコンコースに上がるとホットモットの駅弁売り場があるのでした。
せっかくなので奮発して一番高い?うなぎ弁当を買って帰る。
駅弁っぽい紙箱で包まれたうなぎ弁当。肉肉しい?



◆おわりに◆
結局1日コースになったものの楽しい旅行でした。
ソウルと北朝鮮がこれほど近い位置にあることを実感する旅でもあったし、都羅山に来たのは初めてという韓国人観光客に混ざってのツアー(外国人は私含め2名だけだった)でピクニック気分の彼らに停戦中なのでは?という違和感も感じる旅でした。
ソウル駅にて。龍山駅終着なのでまだ乗客あり。

行けないと言われると行ってみたいもので、都羅山駅から先へもいつか行ける日が来ると良いなぁと思いました。

終わり。
Homepage : http://www.ne.jp/asahi/eternal/delivery/index.htm